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How AI Agents Can Pay For Services On Their Own -

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8分 21秒

ATXPでエージェントに自律的な支払い能力を:AIシステムの可能性を最大化

ポイント

  • この記事は、AIエージェントに自律的な支払い能力を与えるプロトコル「ATXP」について解説しています。
  • エージェントがウォレットを持ち、OpenAI互換モデルやMCPサーバーなど多様な有料サービスへの支払いを一元化・自動化します。
  • 開発者は煩雑な支払い管理から解放され、より効率的で創造的な自律型AIシステムの構築に集中できます。

はじめに:AIエージェントの自律性を高める支払いプロトコルATXP

AIエージェントを活用したシステム開発において、APIキーの管理や多様なサービスの連携は複雑さを増す一方です。本記事では、Circuit and Chisel社が開発した、Agentic Systems向けの支払いプロトコル「ATXP」についてご紹介します。ATXPは、エージェントにウォレット機能を持たせることで、OpenAI互換モデルのトークンベースの推論、有料MCP(Machine Comprehension Platform)サーバーの利用、他の有料エージェントへの支払いなどを一元的に行えるように設計されています。これにより、開発者は煩雑な支払い管理から解放され、より創造的なAIシステムの構築に集中できるようになります。

ATXPとは?エージェントのための支払いフレームワーク

ATXPは、AIエージェントが自律的にサービス利用料を支払うことを可能にする支払いフレームワークです。エージェントは専用のウォレットを持ち、このウォレットからさまざまなサービスに対して支払いを行います。主な特徴は以下の通りです。

  • 単一の統合ポイント: ATXPを一度システムに統合するだけで、多様なサービスへの支払いを管理できます。これにより、個別のAPIキーや支払い設定を管理する手間が省けます。
  • 従量課金制の推論: OpenAI互換のあらゆるモデルに対して、トークンベースで支払いが可能です。これにより、利用した分だけ料金が発生し、コスト効率の良い運用が期待できます。
  • 多様なMCPサーバーの利用: 有料のMCPサーバーや他の有料エージェントも、ATXPウォレットを通じて利用できます。

具体的な利用例:Reddit向け広告作成エージェント

デモンストレーションでは、ATXPを利用した広告作成エージェントが紹介されました。このエージェントは、ATXPのドキュメントウェブサイトを閲覧し、Agentic SystemsやMCPツールの開発者をターゲットにしたReddit最適化広告を生成します。広告生成には画像生成サービスへの支払い(1セント)が発生し、エージェントが自律的に支払いを行い、広告画像とターゲット層(Redditサブレディット)を提示しました。この例は、エージェントが自律的に外部サービスを利用し、成果物を作成するプロセスを示しています。

ATXPで利用可能なMCPサーバーと機能

ATXPエコシステムでは、多岐にわたるMCPサーバーが提供されており、エージェントがこれらのサービスを利用して多様なタスクを実行できます。現在利用可能な主なMCPサーバーと機能は以下の通りです。

  • ウェブブラウジング/クロール: ウェブサイトを閲覧し、必要な情報を収集します。
  • 検索: Google検索のように質問に対して回答を提供したり、詳細な調査を行ったり、X(旧Twitter)の検索も可能です。
  • データベース操作: クラウド上でPostgreSQLデータベースを作成し、利用できます。
  • メディア生成: 歌詞から任意のスタイルの音楽を生成したり、動画や画像を生成したりする機能です。
  • サンドボックスでのコード実行: 安全な環境でコードを実行し、その結果を利用できます。

MCPサーバーの収益化

ATXPは、独自のMCPサーバーを構築し、収益化したい開発者にも強力なツールを提供します。わずか1行のコードで、ATXPを介した支払い受付を開始できます。また、X42対応のMCPサーバーを利用したい場合でも、ATXPを介してX42をラップすることで、単一の統合でより大きなエコシステムを活用することが可能です。

ATXPの支払いメカニズム:暗号資産ベースのレール

ATXPは、暗号資産(クリプト)支払いレール上に構築されています。これにより、グローバルかつ迅速な取引が実現されます。

  • 対応する暗号資産: USDC、World Token、Solana、Baseなど、多様なブロックチェーンとトークンをサポートしています。
  • オンランプ: ユーザーはアカウントを作成し、クレジットカードで資金を追加したり、他のウォレットから資金を受け取ったりすることが可能です。新規ユーザーには、無料クレジットが提供されるキャンペーンも実施されています。
  • バッチ支払い: 大量の支払いを一括で行うバッチ支払い機能もサポートしており、事前にクレジットをチャージして利用することができます。

最も頻繁に支払われるサービス

現在、ATXPを利用したエージェントが最も頻繁に支払っているのは「画像生成」サービスです。また、Twitter検索や、OpenAI互換の多数のLLMモデルを利用できる「LLMゲートウェイ」を介したトークンベースの推論利用も多く見られます。LLMゲートウェイは、膨大な数のOpenAI互換モデルに単一の統合でアクセスでき、呼び出すモデルを切り替えるだけで利用できる点が特徴です。

セキュリティと不正利用対策

ATXPでは、エージェントが利用できる金額は、ウォレットにチャージされた資金に限定されます。これにより、万が一エージェントが不正な行動をとったとしても、被害を最小限に抑えることができます。例えば、ウォレットに100ドルしか入っていなければ、それ以上の金額が詐欺に使われる心配はありません。現時点では、大規模な不正利用対策の必要性は生じていないとのことですが、このような基本的な安全機構が設けられています。

エージェント経済学:支払いによるLLMの意思決定への影響

エージェントがサービスの対価を支払うという仕組みは、LLMの意思決定にどのような影響を与えるのでしょうか。ATXPでは、エージェントは支払いが必要であることを認識しています。システムログには「支払いが必要です」というエラーが記録され、エージェントはそれに応じて支払い処理を行います。

エージェントがコストを意識することで、より効率的または目的に合致した行動を選択する可能性については、現在進行中の社内議論のテーマとなっています。例えば、LLMゲートウェイを利用して、わずかな費用で異なるモデルの挙動をテストし、最もコスト効率の良い意思決定を促すといった実験も考えられます。

タスクごとの予算制限

ウォレットの設定時に資金を投入することで、特定のタスクに対する予算を設定できます。例えば、新しいウォレットを特定のキャンペーンやエージェントに割り当てることで、そのウォレット内の資金を上限として活動を制限することが可能です。社内では「支払いピラミッド」という概念が用いられており、マーケティング予算を持つマーケティングエージェントが、コピーライティングサービスや広告購入などに割り当てられたウォレットの範囲内で行動するといった例が挙げられています。

まとめ:自律型AIシステムの未来を拓くATXP

ATXPは、AIエージェントに自律的な支払い能力を与えることで、AIシステムの可能性を大きく広げる画期的なプロトコルです。複雑なAPIキー管理や支払いフローから開発者を解放し、エージェントが多様なサービスを柔軟に利用・連携できる環境を提供します。暗号資産をベースとした堅牢な支払いインフラと、進化し続けるMCPサーバーのエコシステムにより、今後のAgentic Systemsの発展に不可欠な存在となるでしょう。

開発者の皆様も、ATXPを活用して、より自律的で強力なAIシステムの構築に挑戦してみてはいかがでしょうか。

参考動画: https://www.youtube.com/watch?v=iFwSSb0noJg