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Builders Unscripted: Ep. 5 - Derya Unutmaz

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36分 4秒

医療AI研究者が語る:生物学の複雑性を解き明かすAIとCodexの力

ポイント

  • 医療AI研究者が、医学生時代から直面した生物学の途方もない複雑性を解き明かすAIの可能性を語ります。
  • 特にOpenAIの推論モデルとの衝撃的な出会いや、Codexを日常の研究ワークフローに深く組み込むことで得られた変革に焦点を当てます。
  • 読者は、AIが単なる情報処理を超え、科学的発見を加速させ、研究者の働き方を変える強力なパートナーであることを理解できるでしょう。

医療AI研究者が語る:生物学の複雑性を解き明かすAIとCodexの力深遠な生物学の世界で、AIがどのように新しい扉を開いているのか、医療分野のバックグラウンドを持つ研究者であるDerya氏の視点から探ります。従来の科学的アプローチでは困難だった複雑な生命システムの解明に、AI、特にディープラーニングや推論モデル、そして「Codex」といったツールがどのような変革をもたらしているのか、その魅力と可能性を深く掘り下げてご紹介します。## 医学校卒業後に芽生えたAIへの確信Derya氏は、ユニークな経歴を持つ研究者です。医療分野の深い知識を持ちながら、バイオサイエンス、バイオエンジニアリング、そしてAIといった多岐にわたる分野で活躍されています。特に生物学、がん、免疫学といった領域における専門知識を背景に、AIを駆使した新たなアプローチを模索されています。AIが生物学や科学の分野で必要になると最初に感じたのは、医学校を卒業してすぐのことでした。生物学システムの途方もない複雑さに直面したDerya氏は、その解決策を見出すことに強く惹かれました。医学校卒業後、生物医学研究の道に進んだのは、生物学の深層を理解したいという強い思いがあったからです。当時、多くの病気が未治療であったのは、まさにこの複雑性によるものだとDerya氏は感じていました。研究に没頭するほど、「これは信じられないほど複雑だ。どうすれば解決できるだろう?」という思いが募りました。何兆もの異なる要素と何十億もの反応が同時に起こる生物学的システムは、あまりにも圧倒的でした。この経験が、1990年代初頭にAI(人工知能)への関心を抱くきっかけとなりました。いつかAIを使ってモデルを構築できるかもしれないと考え、AIプログラミングに熱中しました。そして、その後のディープラーニング革命には、まさに心躍る思いだったと言います。初めて、ディープラーニングが膨大な情報を並列的に処理できる可能性を目の当たりにしたのです。これは、AlphaFoldやChatGPTのような現代のAI技術の礎となりました。## OpenAIの推論モデルとの衝撃的な出会いAIが科学に不可欠であるとDerya氏が確信した決定的な瞬間は、OpenAIの推論モデル「o1-preview」に触れた時でした。2024年9月(※)のある日、OpenAIがDerya氏にアプローチしてきました。Derya氏は当時、X(旧Twitter)でAIが人類をどのように変えるかについて積極的に発信しており、その活動がOpenAIの目に留まったようです。懐疑的な声が多い中でも、Derya氏はAIを強く信じ、全身全霊でAIに取り組んでいたのです。OpenAIから試用を依頼された最初の推論モデルである「o1-preview」に、Derya氏は免疫学に関する非常に複雑な質問を投げかけました。その時のプロンプトを今でも覚えていると言います。Derya氏はビデオゲームにも興味があり、ゲームの概念を科学に応用することが好きでした。例えば、サバイバル系のバトルロワイヤルゲームのように、免疫システムも腫瘍と戦う一種の「バトルロワイヤル」であると捉え、AIに次のようなシナリオを想像させました。「バトルロワイヤルゲームと免疫システムを想像し、免疫細胞ががんと戦うシナリオをどのように展開するか?」この全く異なる分野を組み合わせた問いに対し、o1-previewは、Derya氏が「感動すら覚える」と形容するほどの深い洞察に満ちた回答を返しました。それ以前のGPT-4.0では、このような深い、洞察力に富んだ反応は得られなかったと言います。この経験こそが、AIが科学にとって不可欠な存在であると確信した瞬間でした。※文字起こしテキストに「2024年9月」とありますが、動画の公開時期から推察すると「2023年9月」の可能性が高いです。しかし、ここでは元の文字起こしテキストに忠実に記載しております。## AIがもたらす研究ワークフローの変革Derya氏は、AIが科学研究に多岐にわたる変革をもたらしていると語ります。GPT-4が登場して以来、特に生物学分野のように情報量が膨大な領域において、AIは研究者にとって非常に有用なツールとなっています。Derya氏は同僚たちにもAIの活用を勧めており、以下のような点でその効果を実感しています。* 文献検索と知識統合: 膨大な科学文献の中から必要な情報を効率的に探し出し、知識を統合する作業が大幅にスピードアップしました。* 定型業務の自動化: 推薦状の作成など、以前は1時間かかっていた事務的な作業がわずか5分で完了するようになりました。しかし、AIの真価が発揮されたのは、o1-previewのような推論モデルが登場してからだとDerya氏は強調します。単なる情報処理だけでなく、「この実験の結果はどうなるだろうか?」といった問いに対し、AIが推論を始めると、科学にとって極めて重要で関連性の高い洞察が得られるようになったのです。その後、より優れたプロバージョンやo3モデル、そして現在の高性能なモデルへと進化を遂げ、AIはますますその能力を高めています。## Codexが変える研究者の日常現在、Derya氏は自身のことを「Codex中毒者」だと自認するほど、Codexを日常の研究ワークフローに深く組み込んでいます。朝、コーヒーを淹れた後、まず最初に行うのがCodexの確認だと言います。かつては、シミュレーション、アプリケーション、ゲームなど、どんなアイデアを実現するにも、コーディングの知識が必要で、それができたとしても数週間から数ヶ月を要していました。しかし、Codexの登場により、Derya氏は思いついたアイデアをすぐに形にできるようになったのです。Codexが一晩中作業を進めていることもあるため、朝起きてその結果を確認するのが楽しみで、この数ヶ月間はほとんど眠れていないと笑顔で語っています。## 複雑なデータ解析を支えるCodexの応用Derya氏は、Codexを使って日々の研究に非常に役立つシンプルなアプリをいくつも開発しています。さらに、研究室では遺伝学や免疫学などの複雑なデータ解析において、ソフトウェアに大きく依存しています。特に、免疫細胞などの細胞の世界を観察するための重要な手法である「フローサイトメトリー」の解析において、Codexの可能性を感じています。フローサイトメトリーとは、レーザーと蛍光マーカーを用いて、血液や組織中の何百種類もの細胞を識別し、その特性を分析する技術です。細胞に特定のマーカーを標識し、レーザー光の中を通すことで、数千もの細胞を個別に分析し、「これはがんと戦う免疫細胞だ」「これは自己免疫疾患を引き起こす可能性がある」といった情報をデータとして得ます。この膨大なデータ(時には何十万ものデータポイント)を専門のソフトウェアに取り込み、グラフ化して、「この細胞の割合はどのくらいか?」「これらはどのように関連しているか?」といった解析を行います。これは数十年にわたって使われてきた非常に洗練されたソフトウェアですが、Derya氏はある日、「自分で作れないものか?」という挑戦的なアイデアを抱きました。非常に複雑なため、何度も失敗を経験しましたが、CodexのようなAIツールが、このような専門的で複雑なソフトウェアの開発に新たな道を開いているのです。## まとめDerya氏の経験は、AIが単なる情報処理ツールではなく、科学的発見を加速させ、研究者の働き方そのものを変革する強力なパートナーであることを示しています。生物学の複雑性に挑む中で生まれたAIへの確信、推論モデルとの衝撃的な出会い、そしてCodexを活用した日々のルーティンは、医療AI研究の最前線で何が起こっているのかを雄弁に物語っています。AIは、複雑な生命システムの謎を解き明かし、新たな治療法や診断法の開発を加速させる可能性を秘めており、今後のさらなる進化が期待されます。### 参考動画How Derya builds with AI