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Building an OpenSearch Research Agent at Scale - Alfonso Graziano, Nearform

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14分 57秒

OpenSearch研究エージェント構築の課題と解決策:多量データ検索の最適化

ポイント

  • OpenSearchを用いた大量データ検索エージェント構築で直面する主要な課題と解決策を解説します。
  • フィールドの意味的欠如、多数のインデックス管理、コンテキストウィンドウ制約が主な課題です。
  • メタインデックスによる意味付けと2層構造アーキテクチャによる段階的発見で、これらの課題を克服する具体的な方法を学びます。

導入:OpenSearchを用いた多量データ検索の課題

多くの企業が直面している共通の課題は、長年にわたり多様なソースから取り込んだ大量のデータと、より賢く対話する方法を見つけることです。これら膨大な情報をエージェント、あるいはマルチエージェントシステムを介して効果的に活用したいというニーズが高まっています。本記事では、OpenSearchを活用した研究エージェントの構築事例を通じて、この課題にどのように取り組み、どのような解決策を導き出したのかを詳しく解説します。

私はAIネイティブなサービスを提供するNearform社のテックリーダーであるアルフォンソです。私たちが過去6ヶ月間で開発したこのマルチエージェントシステムは、構築された大規模なソフトウェアの一部であり、その中でも特にデータ検索サブエージェントに焦点を当ててご紹介します。このサブエージェントはOpenSearchプロキシと連携し、ユーザーがフロントエンドからあらゆるデータとチャットできるようなオーケストレーターとして機能します。

OpenSearch研究エージェント構築における3つの主要な課題

自然言語の質問からユーザーが求めている回答を返す、という目標は一見シンプルに思えます。しかし、実際にはエージェントがOpenSearchのデータや企業全体のナレッジを理解し、効果的なクエリを構築し、適切な回答を生成するまでには、少なくとも3つの主要な課題が存在します。

1. フィールドのセマンティック(意味的)な欠如

OpenSearchや他のデータベースシステムで作業する際、私たちはフィールドのマッピングを知っています。しかし、これらのフィールド名自体は、その「意味」を直接伝えてくれるわけではありません。例えば、「net_worth」というフィールドがあったとします。エージェントがアクセスできるのは「net_worth」という名前だけであり、それがどのように計算されるのか、なぜそのデータが役立つのかといった、その真の意味までは理解できません。エージェントが正しく機能し、適切な回答を生成するためには、このフィールドに豊富なセマンティックな情報、すなわち意味付けを与える必要があります。

2. 多数のインデックス管理の複雑性

一つのインデックスであれば、そのマッピングをコンテキストウィンドウに含めることで比較的容易に処理できるかもしれません。しかし、インデックスが数十、あるいは数百にも及ぶ場合、状況は一変します。各インデックスの構造や関連性をエージェントに効率的に理解させることは、非常に複雑なタスクとなります。

3. コンテキストウィンドウの制約とコスト

インデックス自体が複雑で、そのマッピング情報がコンテキストウィンドウのサイズを超えてしまうという問題も発生します。特に、大規模言語モデル(LLM)の利用においてトークン(処理単位)ごとに費用が発生することを考慮すると、必要のない全ての情報をコンテキストウィンドウに詰め込むのは非効率的であり、コスト面でも大きな負担となります。効率的かつ経済的にデータを扱うための巧妙な方法が求められます。

課題解決策1:メタインデックスによるセマンティックな意味付け

フィールドのセマンティックな欠如という課題に対して、私たちは「メタインデックス」を構築するというアプローチを採用しました。具体的には、全てのフィールドに対して、フィールド名、タイプ、そしてそのフィールドの詳細な説明を持たせるようにしました。

{
  "field_name": "market_value",
  "type": "double",
  "description": "これは月末時点のスナップショットであり、リアルタイムの値ではありません。ポートフォリオ全体の市場価値を示します。"
}

この詳細な説明は、必要に応じて実行時にエージェントに注入されます。これにより、エージェントは「holdings」(保有資産)のようなフィールドが何を意味するのかを正確に把握できるようになります。このセマンティックな情報は、データの検索時だけでなく、回答生成の際にも非常に有用であり、エージェントの理解度と回答の精度を大幅に向上させます。

課題解決策2:プログレッシブディスカバリーを可能にする2層構造アーキテクチャ

大量の情報を全てコンテキストウィンドウに含めることができないという課題に対し、私たちは「2層構造のアーキテクチャ」を構築しました。このアーキテクチャは、基本的に2つのサブエージェントで構成されます。

  1. プログレッシブディスカバリー(段階的発見)を行うサブエージェント: 膨大なデータの中から、ユーザーのクエリに関連するフィールドやインデックスを段階的に特定する役割を担います。
  2. クエリ構築、実行、自己修復を行うサブエージェント: 適切な情報が特定された後、最適なクエリを構築し、実行し、もしクエリが不適切な場合は自己修復メカニズムによって修正します。

プログレッシブディスカバリーの詳細ステップ

プログレッシブディスカバリーは、スキルという概念に非常に近いアプローチを取ります。以下のステップを経て、エージェントが関連情報を効率的に絞り込んでいきます。

  1. インデックスのリストアップ: まず、利用可能な全てのインデックスをリストアップするツールを使用します。これにより、各インデックスの概要と内容を把握します。
  2. インデックスの詳細説明: 次に、ユーザーのニーズに基づいて実際に必要となるインデックスを特定し、そのインデックスについてより詳細な情報(詳細な説明や関連フィールドなど)を取得します。
  3. フィールドの詳細説明: データの形状を理解するために、「フィールドを説明する」プロセスを実施します。これにより、エージェントは関心のあるフィールドについてセマンティックな説明や具体例を得ることができます。
  4. フィールド値のサンプル取得: 例えば、50種類ものアイテムを含む列挙型(enum)フィールドがある場合など、クエリ対象となるデータの具体的な形状を理解するために、フィールド値のサンプルを取得します。

これらの段階的なディスカバリープロセスを経て、エージェントは非常に広範な検索空間から、特定のユースケースに必要なターゲットインデックス、関連するフィールド、そしてサンプル値を特定できるようになります。例えば、「現在、私のポートフォリオのどれくらいの割合が仮想通貨ですか?」というような大まかな質問から、このプロセスを通じて具体的なデータ構造へと絞り込み、最終的なクエリ構築へと進む準備が整います。

まとめ

本記事では、OpenSearchを用いた研究エージェントの構築において直面する、フィールドの意味的理解の欠如、多数のインデックス管理、コンテキストウィンドウの制約という主要な課題について解説しました。

これらの課題に対し、私たちは「メタインデックスによるセマンティックな意味付け」と「プログレッシブディスカバリーを可能にする2層構造アーキテクチャ」という2つの主要な解決策を導入しました。これにより、エージェントはより正確にデータの意味を理解し、効率的かつコスト効果の高い方法で膨大なデータの中から必要な情報を抽出し、ユーザーに適切な回答を提供できるようになります。

このシステムは特定のユースケースとクライアントのために設計されましたが、ここで紹介した原則は、大量の構造化・非構造化データに対する自然言語インターフェースを構築する際の普遍的な課題解決に役立つものと信じています。

参考動画

Building an OpenSearch research agent